「 地域密着型金融推進計画 」の進捗状況について
平成18年11月6日
( 平成17年4月 〜 平成18年9月 )
静岡中央銀行(社長 奥田 一)では、平成17年4月から2年間を対象に「地域密着型金融推進計画」を策定し、全行を挙げて計画に取組んでおりますが、進捗状況(平成17年4月〜平成18年9月実績および、うち平成18年4月〜平成18年9 月)について、その概要をご案内いたします。
1. 平成17年4月〜平成18年9月の全体的な進捗状況及びそれに対する評価
当該期間の「地域密着型金融推進計画」につきましては、平成18年4月より新たにスタ−トした「第6次中期経営計画:パワーアップU」の施策や業務計画等に織り込み、「お客様中心主義」に基づく「CSの徹底」(お客様の目線でニ−ズにお応えする)を通じて地域の皆様の一層の利便性向上に向け「地域密着型金融推進計画」を着実に実施した結果、ほぼ全ての施策が着実に進捗いたしました。
特に創業・新事業支援、経営相談、経営改善支援や地域利用者の利便性向上のための行内体制の充実が図られるとともに、目標とする計数面においても相応の成果を収めることができました。
今後につきましても、18年度下期(平成18年10月〜平成19年3月)の計画に沿って着実に実践していきます。
2. 平成18年度上期(平成18年4月〜平成18年9月)の進捗状況及びそれに対する評価
平成18年度上期におきましては、「創業・新事業」等の支援強化、「事業再生」への取組み、「中小企業金融の円滑化に向けた担保・保証に過度に依存しない融資」の推進、「利用者保護や利便性の向上」に向けた取組みなど、スケジュール通りの成果をあげることができました。
3. 平成17年4月〜平成18年9月中の主な取組み実績
(1) 事業再生・中小企業金融の円滑化
- 創業・新事業支援機能等の強化策として、平成17年9月より「社会的意義のある『病院・社会福祉事業施設』」と「専門的な技術力を持つ『製造業』」を重点業種に選定するとともに、平成18年3月に「創業・新事業支援委員会」を設置し、積極的に推進いたしました。
特に重点業種である『病院・社会福祉事業施設』については、195先の選定先を対象に、本部・営業店との連携を強化するなか、平成18年度上期では9件 20億円、また当該期間(平成17年4月〜平成18年9月)では16件 71億円の融資実績をあげることができました。
また、「専門的な技術力を持つ『製造業』」についても、成功事例等を一つのビジネスモデルとして行内の共有化を実施した結果、営業店・行員のスキルアップが図られ、平成18年度上期においては7件 27億円、また当該期間(平成17年4月〜平成18年9月)では55件 37億円の融資実績をあげることができました。
今後も、本部・支店が一体となって、外部支援機関のノウハウを取り入れながら、「お客様目線」での提案を実践し、「創業・新事業」支援に取組んでまいります。
- 「経営革新支援法」の認定取得につきましては、平成18年度上期の実績はありませんでしたが、信用保証協会と連携した経営革新支援融資を1社 40百万円実行いたしました。当該期間では累計1件の認定取得を実現し、信用保証協会と連携した経営革新支援融資を3社 90百万円実行いたしました。
- コンサルティング能力向上を図るために、FP2級(法人)技能士資格取得奨励を推進、平成18年9月末時点で42名が資格を取得しています。
- 平成17年10月より当行本支店間のビジネスマッチングの体制整備を行い、平成18年4 月より、さらにビジネスマッチング推進体制を強化いたしました。平成18年上期の成果として、11件成約、当該期間では累計45件成約することができました。引続き平成18年度下期も積極的に推進してまいります。
- 取引先の経営改善支援については、「支店長の1人1社再生支援活動取組先」と「融資経営相談室と支店の共同取組先」に対して経営改善支援を行ってまいりました。平成18年度上期の実績としては、これらの経営改善支援取組み先44先のうち、8 先の債務者区分がランクアップいたしました(「支店長の1人1社再生支援活動取組先」31先のうち5先、「融資経営相談室と支店の共同取組先」13先のうち3先ランクアップ)。
また、当該期間(平成17年4月〜平成18年9月)では、経営改善支援取組み先55先のうち、12先の債務者区分がランクアップ(「支店長の1人1社再生支援活動取組先」39先のうち8先、「融資経営相談室と支店の共同取組先」16先のうち4先)となり、経営改善支援活動取組先全体の21.8%がランクアップいたしました。
- 静岡県中小企業支援ファンドは、1号ファンドが終了し、平成18年9月に2号ファンドが設立され、当行も2億円の出資を行いました。
- 事業再生に向けた取組みとして、地域経済の再生の観点から「観光関連事業」先の4社に対し具体的な再生支援に向けた取組みを実施いたしました。うち3社(平成17年度上期1社、平成18年度上期2社)につきましては、静岡県中小企業再生支援協議会と連携し、事業再生計画の策定を完了いたしました。17年度上期の1社、18年度上期の1社につきましては、外部専門家との連携により、経営改善計画を策定し、静岡中小企業支援ファンド“パ−トナ−”(1件 224百万円利用)、“スクラム” (1件 40百万円利用)を活用した事業再生支援を実施し、当該期間中(平成17年4月〜平成18年9月)のファンドを活用した再生支援は2件となり、目標を達成することができました。
また、現在、温泉旅館1社の事業再生に向け、静岡県中小企業再生支援協議会と連携し、事業再生計画の策定準備に着手し、関係金融機関やファンド管理運営会社と具体的な打合せを実施しております。引続き、地域経済の再生の観点から静岡県中小企業再生支援協議会等と連携した取組みを実施していきます。
- 担保・保証に過度に依存しない融資を積極的に推進し、各地の92の商工会議所等(26商工会議所、66商工会)と提携した「しずちゅうサポ−トロ−ン」を販売し、当該期間(平成17年4月〜平成18年9月)の取扱実績は143件 385百万円となりました。さらに平成18年3月に「しずちゅうビジネスローン」をお客様のニーズにあった商品に改訂した結果、平成18年度上期では179件 992百万円の実績につながりました。
また、平成18年9月より県内で初めての取扱いとなるシンセティック型の「しずちゅうCLO」の発売を開始いたしました。
- 信用保証協会等との勉強会を通じて「売掛債権担保付融資」を推進した結果、当該期間(平成17年4月〜平成18年9月)の取扱実績は153件 1,091百万円となりました。
- お客様からのご意見・ご要望を経営に反映させるため、平成18年3月に「ベタ−サ−ビスノ−ト」の改訂を行い、さらにご意見等の収集に努めました。
- お客様への説明態勢の整備につきましては、「お客様目線」に立った説明態勢を基本に、研修等を継続実施し、お客様の立場に立った分かり易い説明を徹底しています。
(2) 経営力の強化
- 平成17年8月に「総合財務分析システム」、平成18年3月に「スコアリングシステム」、平成18年9月に「財務登録システム」の更新をそれぞれ行うなど、信用リスクデ-タベ-スの整備充実を図るとともに、融資ポ-トフォリオ分析結果を経営情報として常務会・取締役会に報告し、信用リスク管理を強化いたしました。
- 収益管理態勢の整備と収益力強化のために、「金利プライシング計画表」による進捗確認と業績表彰基準にインセンティブを付与することによる収益意識の向上を図りました。
- 平成17年3月期より、有価証券報告書に経営者による財務内容の適正性についての確認を実施いたしましたが、平成18年3月期の有価証券報告書における確認方法の明確化に向け、検証体制整備を行い、同時に各担当部のマニュアル整備に着手しました。
- 法令等遵守態勢の強化のために、本部施策の周知徹底や営業店における実効性の確保を図るため、業務監査部等による臨店・指導をさらに強化いたしました。
- 行内における適切な顧客情報の管理・取扱いル−ル等の遵守を図るために、引続き店内検査や担当部の営業店臨店指導の強化により実効性の確保を図りました。
(3) 地域の利用者利便性向上
- 平成18年3月期のディスクロ−ジャ−誌・ミニディスクロ−ジャ−誌(平成18年7月発刊)において、地域貢献活動情報開示の充実を図りました。さらに、平成18年10月よりホ−ムペ−ジ上に、「地域貢献に関する情報開示」欄を設け、お客様の目線に立った分かり易い表示を開始いたしました。
- 平成17年6月より新規取引先を対象に「CS向上」(お客様の目線でニ−ズにお応えする)を目的としたアンケ−トを開始いたしました。利用者の利便性向上を目指すため、アンケ−ト結果を分析し支店長会議において説明し、行内での情報共有を図りました。
また、平成18年2月に、地域の利用者の満足度を重視した金融機関経営の確立に向けた「お客様満足度調査アンケ−ト」を実施し、数多くのお客様にご協力いただきました。アンケ−ト結果につきましては、平成18年6月30日付でホ−ムペ−ジ上に公表するとともに、「待ち時間短縮」、「行員のレベルアップ」、「事務手続等の効率化」等に向け、更なるCSの取組み強化に努めるとともに、利用者の保護及び利便性の向上に向けた取組みを実施いたしました。
- 利用者保護に向けた取組みとして、平成18年5月に「他行ATMによる出金限度額の引き下げ」や平成18年9月より「ATM異常取引検知サ−ビス」等を開始いたしました。引続き利用者保護に向けた取組みを実施してまいります。
- 利用者利便性の向上に向けた取組みとして、店舗外ATMを新たに2ヶ所設置した他、インタ−ネットによるロ−ン等の受付窓口として、ダイレクトセンタ−を 18年4月に設置いたしました。また、お客様のご要望に応えるため、新型ATMに通帳繰越機能を追加し、10月より実施することとなりました。今後も、お客様の利便性向上に向けた投資等を実施してまいります。
以上の実績を踏まえ、今後につきましても引続き、地域の皆様の一層の利便性向上に向けて、「地域密着型金融推進計画」に取組んでまいります。
4. 「地域密着型金融推進計画」における項目毎の進捗状況
5. 経営改善支援への取組み実績
6. 要注意債権等の健全化に向けた取組み (経営改善・事業再生支援の取組み)
7. 目標とする経営指標と平成17年4月〜平成18年9月の進捗状況